記す者

「お前の知り得た事は、お前の自由にすると良い」

「!」

 驚くケイトに、澄んだエメラルドを向ける。

 その瞳に吸い込まれそうになり、自然とベリルの唇に自分の唇を重ねていた。

「ハッ!?」

 その行動に自分で信じられなくて、ベリルから飛び退く。

 そんな彼女に、ベリルは肩をすくめた。

「私につきまとう理由は無いだろう」

「あ」

 車から降ろされ、笑顔で軽く手を挙げるベリルの隣ではノインが苦い顔でケイトを見下ろしている。

 ケイトは、去っていく車をしばらく見つめていた。