記す者

「痛いのなんて、みんな嫌に決まってる。ベリルは痛みが無いワケでも、薄いワケでも無いんだ。あたしたちと同じくらい痛いんだよ。でも──」

 いつも、死なないベリルが犠牲になる。仲間たちは、そんな彼の姿をいつも見ている。

「みんな痛みを知ってる。だから、本当はベリルに痛みなんて負わせたくないんだ」

「……」

 震えた声を必死に絞り出すノインに、ケイトは喉を詰まらせる。

「よく見てよ! ベリルは同じ人間じゃないか……っ」

 そのあとの言葉が出なくて、ノインは顔を伏せる。

「彼はいま、何歳なの?」

「86」

「!? 86歳!? 今までよく見つからなかったわね」

「あたしたちの仕事は、裏の世界だもの。表の世界の人とも関わるけど、あんたみたいな人間とは関わってなかったから」

 言われてハッとした。