記す者

「彼は死なないの?」

「そうだよ」

 か細く答える。

「本当に?」

 死なない人間がいるなんて……これが事実なら、とんでもないことだわ。

「だから、1人で飛び込んだのね」

 ケイトの口には、微かに笑みがこぼれていた。

 彼女にとっては大スクープだ。

「勘違いしないで」

 ノインは振り返り、瞳を潤ませた。

「死なないから1人で突っ込んだんじゃない。死なない自分のために、仲間が傷つくのが嫌だからよ」

「!」

「死なないからって……痛くないワケ無い」

 ノインは、膝の上で両手を組み苦い表情を浮かべた。