記す者

「名前は」

「え?」

「その者の名だ」

「マイケル・ガーシュ」

 聞いたベリルは、喉の奥から絞り出すような笑いをこぼした。

「クク……奴らしいな」

「! 知っているの? 彼は酷い人ね」

 言ったケイトに、薄い笑みを浮かべる。

「奴の照れ隠しだよ」

「どういうこと?」

 怪訝な表情で問いかけるケイトを見やった。

「奴の家族は強盗に殺された」

「!」

「たった数ドルのために、妻と子が命を奪われた。金のために傭兵などをやると思うかね?」