記す者

「ベリルに取ってきてって頼んでたの」

 そしてベリルは、腕に巻いていたバンダナを少年に差し出した。

「あれは?」

「ベリルのエンブレムが入ったバンダナ。あの子、一度も泣かなかったでしょ。だからベリルがあの子の強さを称えたの」

 説明したあと、ノインは他の作業をするためにケイトから離れるが、彼女はその後を追った。

「自分のエンブレムなんて、いつもならあんまり持たないし付けないんだけど。時々、ああやって子どもとか元気づけるんだ」

 助けた後も、彼らに安息が訪れる訳じゃない──だからベリルはそんな少年に、少しでも生きる気力になればと願いを込める。