記す者

 裏の世界では『公然の秘密』として皆、普通に接しているが、表の世界でこの事が知れるととんでもない事になる。

 今までも何人かの表の人間には話した事のあるベリルだが、ケイトはジャーナリストだ──それを公(おおやけ)にするルートも、力も持っている。

 彼女と接するのは危険だ。

「話す事は無い」

 無表情に視線を外した。

「傭兵って、みんなそうね」

「何がだね」

 ケイトは肩をすくめて、

「どこか壁があるっていうか。本心を隠してる」

「相手はジャーナリストだ。警戒するのは当然だろう」

 上品にカフェ・ラテを口に運び、視線を合わせず応えた。

 そんなベリルに、ケイトは怪訝な表情を浮かべる。