記す者


 何もする事の無いケイトは、チェックしている傭兵たちを見て回った。

「……へえ」

 軍と行動を共にする事はよくあるが、こんなにじっくりと眺めた事は無かったな。

「!?」

 右から突然、にゅっと出てきた手に握られていたのは防弾ベスト──手の主に目をやると、仏頂面をした男がベストを差し出したまま動かない。

「あ、ありがとう」

 受け取ると、また無言で去っていった。

「なんなの?」

「記者さん」

「はい?」

 声に振り返ると、30代の男が何かを投げつけてきた。

 無意識にその小さな塊を受け取ると、それはガムだった。