「ホントはね、あんたのために仲間が死ぬコトの方が嫌なの」

「!」

「共に戦ってきた仲間が、戦い方も逃げ方も知らないシロウトが付いてきて、危険にさらされるコトが我慢ならない」

 助けなければならない者のために向かうなかで、戦いの経験も無い者をわざわざ守らなければならない。

 ベリルは、彼らのような職業がいる事の大切さもノインに言って聞かせたが、それでもやはり納得がいかない。

 ケイトは、しばらくノインの目を見つめたあと──

「それでも行くって言ったら?」

 ノインは、諦めたように再び深い溜息を吐き出した。