「戦場で人々や兵士を見るのだけど、傭兵という人たちが気になったの。どうして戦いの場へ自ら赴くのか」

 おもむろに語り始めた彼女にイラつき、片肘をテーブルに乗せて少し身を乗り出した。

「何度、言わせる」

 軽く睨みを利かされたケイトは、そんな青年から目を泳がせる。

「OK。解ったわ」

 諦めたように肩をすくめた。

「傭兵たちの話を聞いてただけよ。凄い傭兵がいるって」

 ベリルはそれに、険しい表情を浮かべた。

「盗み聞きか。感心せんな」

「偶然、耳に入っただけよ」

 そんなケイトに目を据わらせる。