記す者

 ベリルは優しい人だから、きっと人を傷つけてまで逃げようとは思わない。

 だから、お願い。

 ベリルに触れないで、彼を連れて行かないで──

「心配ない」

「!」

 静かな声に顔を上げる。

 そこには、いつもの綺麗な微笑みが自分を見下ろしていた。

 ノインは、顔を近づけて唇を重ねる。