「軍を抜けようと思ったのは、カレンて子に出会ったから。その子と大学に行きたかったから」

 言葉を詰まらせる。

「でも、殺されちゃった」

「!」

 愁いを帯びた微笑みをケイトに向けた。

「あたしを組織に引き戻すために、カレンを殺したの。ベリルの動きを真似た奴が、ベリルになりすましてあたしの復讐心をかき立てた」

 あまりの事に、ケイトは言葉も出なかった。

「でも、あたしはすでにその組織が必要としない感情を持ってしまってた。だから、最後にベリルに利用しようとしたの」

 ノインは深い溜息を吐き出した。