「まだ怒っているのか」

 部屋に戻ったノインは、無言で服を着替えを続ける。

 ベリルは深い溜息を吐くと、ノインの前に立ち、

「私の時間をお前に与えると言ったろう」

 ノインは視線を外し、ベリルを抱きしめた。

「そんなの、わからないもん」

「信じてもらいたいものだ」

 目を細めてキスを与える。

「言い過ぎたと思っているのだろう?」

「……」

「私がお前を嫌うかもしれないと恐れているのか」

 抱きしめるノインの腕に力がこもる。

 ベリルは優しくノインを抱きしめて、

「心配しなくとも良い」

「ごめんなさい」