記す者


 朝食を済ませた1時間後──ベリルとノインがホテルのフロントに顔を出した。

 エントランスで彼らを張り込んでいたケイトは、さっそくその背中を追いかける。

 オレンジレッドの大型ピックアップトラックが目に入り、ケイトは慌ててタクシーに乗り込んだ。

「まったく、しつこいなぁ」

 助手席でバックミラー越しにタクシーを見たノインが、溜息混じりにつぶやいた。

 ベリルはそれに苦笑いを浮かべる。

 しばらく走ったベリルのピックアップトラックが止まった場所は、小さなビル。
 入り口には2人の男がいて、彼らの顔を見ると無言で男がドアを開いた。

 ケイトもそれに続こうとするが、

「!」

 男たちは彼女の前に立ちはだかり、何も言わずに威圧した。

 これは、入れてくれそうにないわね……仕方なくタクシーの中で待つ事にした。