記す者

 しかし、ノインはそれを無視するように話し続けた。

「自分の国の犯罪には知らんぷりなんでしょ? 人が殺されても平気なんだ」

「やめろと言っている」

「でもベリル……っ」

 ベリルは小さく溜息をつくと立ち上がり、

「向こうに」

 エントランスに行くように促して、ノインにキスをする。

 ぶつくさ言いながら部屋に戻っていくノインを一瞥して、ケイトの隣に腰掛けた。

「すまなかった」

「なんなのよ、あの子」

 腹立ち紛れに乱暴に水を飲む。