記す者


「何故あのような事を」

「あんまり冷たくするのもなんでしょ?」

 エレベータの中でベリルに尋ねられ、ノインは肩をすくめた。

 本当はベリルと同じ部屋になるため……なんて言えない。恋人と認めてくれたくせに、どうして別々の部屋なのかノインは眉をひそめていた。

「女性だから」という彼の自然の気配りなのだろうが、恋愛感情の無い彼らしい気配りだとも思う。

 どうせベリルの部屋に行って寝るんだから、別の部屋なんか借りなくてもいいのにさ……ノインは思いながら、ケイトの事を考えた。

 戦場ジャーナリストねぇ……その瞳には、険しい光が灯されていた。