記す者


 ひとまず、2人はホテルに戻った──ケイトはその後ろからついていくが、

「あいにく満室でございます」

「そこをなんとか」

 部屋を取ろうとしたケイトだが、どうやら満室らしくフロントに断られていた。

 ノインは、必死に頼み込むケイトをしばらく見つめる。

 そしてフロントに歩み寄り、

「あたしの部屋を貸していいわよ」

「! しかしノイン様……」

「あたしはベリルの部屋に移るから」

「かしこまりました」

「!」

 ケイトにウインクしたあと、不敵な笑みを見せた。

「ベリルは私のものよ」という、無言の圧力がノインの微笑みから見て取れる。

 とにかく部屋は確保出来たのだ、有り難い。