だめだ、仕事しなくちゃ──

「無自覚に女たらしてんじゃないわよ」

 ふいに女の声が聞こえた。

 ケイトが目を上げると、ベリルの後ろに自分を睨み付ける女性がいる。

「ノインか」

「あたしと来てるコト、忘れてないでしょうね」

 もしかして恋人? ケイトはピクリと方眉を上げ、少しがっかりした。

「お前が待っていろと言ったのだろう」

「欲しい服があったんだもん。この人だれ?」

 ノインは大きなバッグを抱えて、ケイトを見つめた。