そのことが…彼女達を、無意識とはいえ、追い詰めていた。

その緊張と恐怖は、目の前に現れた真由に向けられた。

「まあ〜いいじゃないか」

4人の内の男が、真由に近付いた。

「どこかで休もうよ」

その男の視線は、ボロボロの制服から覗かれる下着に向いていた。

「そ、そうね」

自分よりも弱い者を見つけた安堵感で、女達は笑った。

「…」

刈谷は無言になりながらも、眼鏡の奥から鋭い眼光を真由に向けていた。

「…」

百合花も無言だったが、歩き出した真由達の後ろに続いて歩こうとした。ただ…流されるままに。

しかし、その行動はすぐに、凍り付くことになった。

「ぐはあ」

真由の横にいた男が、いきなり血を吐き出したのだ。

「え」「え!」

「きゃあ!」

一瞬、何が起こったかわからない女達。

「いいわ!この瞬間が!」

真由は、にやりと笑った。血塗れの腕には、男から抜き取った心臓が握られていた。まだ脈打つ心臓の匂いを嗅ぐと、顔をしかめて後ろに捨てた。

「きゃあ!」

その惨劇の意味を知った女達は、真由に背を向けて逃げようとした。

しかし、彼女達の足は膝から下を切り取られ、逃げることができなくなった。

ただ逃げようとした勢いが、彼女達を前に倒させ、

「い、いやああ!」

足の先から血を噴き出し、パニックになりながらも、土を抉り逃げようとした。

しかし、逃げれる訳がなかった。

1人の背中に向けて、真由は上から指を突き刺すと、そのまま背骨を抉り出した。

「!」

声にならない悲鳴を上げて、あまりの痛さに即死した女を見て、真由はつまらなさそうに、背骨を投げ捨てると、残りの2人に目をやった。

腕の力だけで必死に逃げようとする2人の女の真後ろに立つと、真由は笑いかけた。

「心配しなくていいわ。一瞬では殺さないから」

数分後、彼女達は肉片に変わった。