天空のエトランゼ〜赤の王編〜

「厳密に言うと、あなたにではないのよ」

刹那は歩き出した。

「あたしではない?」

九鬼は目で、その動きを追った。

刹那はコクリと頷き、

「でも…あなたと深い関わりを持つと、みんなが思っている人物…」

九鬼の真後ろで、止まった。

「?」

九鬼が振り向くと、両手を組んだ刹那がじっと…九鬼を見ていた。

「乙女ソルジャーの1人…」

九鬼は体を、刹那に向けた。


「乙女ブラック」

「!?」

九鬼は、自分の瞳の中を探るような刹那の視線に、息を飲んだ。


(この人は…)

九鬼は、刹那の視線で確信した。

(あたしが、乙女ブラックだと思っている)

視線をかえす九鬼に気付き、刹那は再び歩き出した。

「この前の巨大な機械人形の襲撃の時、学園にいる者達は、魔法をかけられていた為に…何があったのか詳しくは知らない。だけど!」

刹那は九鬼の横に立ち、耳に向けて言った。

「目覚める寸前…空から無数の流星が落ちてくるのを、確かに見たという生徒もいるわ」


「それが、乙女ブラックだとおっしゃるのですね」

九鬼は、軽くため息をついた。

「だけど…あたしは」

そして、否定しょうとすると、手で刹那が制した。

「その流星は、乙女ブラックではないわ。もっと、凄い…別の力」

刹那の言葉に、九鬼は完全に確信した。


(この人は、知っている!!)

九鬼の心の中を知ってか知らずか…刹那は、言葉を続けた。

「今回、ここに来たのは…別に、乙女ソルジャーだけの為に来た訳じゃないの」

ここで、また笑顔を浮かべると、

「生徒会にも協力して貰いたいの!この学園を、魔物達の脅威から守る為に、協力してほしいの!」

興奮気味に九鬼に近付くと、腕を取ってぎゅっと握り締めた。

「特に、機械人形に破壊された学園や周囲の民家を、手際よく修繕させた!あなたの統率力を!私は、高くかっています!」