「はあ?」

鬼の形相をしたアルテミアが、僕を睨み、

「何だとお!」

「す、すいません!」

謝っても遅かった。

「ぶっ殺す!」

アルテミアの瞳が輝き、魔力が増す。

「ひぇ〜」

僕はただ、怯えた。

「どうせやるつもりで、呼び出したんだ!」

アルテミアの背中に、六枚の翼が生えた。本気である。

「ア、アルテミアさん?」

たじろぐ僕を、アルテミアは指差し、

「あたしは、あたしより弱いやつが嫌いだ!」

「!」

「だけど、強いやつも許さない!」

「む、矛盾してる」

「フン!」

アルテミアは鼻を鳴らしてから、お腹を触ると、

「弱いやつが、父親なんて…かわいそうだろ…」

いきなり顔を真っ赤にさせて、テンションが下がった。

「え!」

僕の目が、点になった。

突然の告白だが、身に覚えがない。

「ま、待て!そんなことをしたか!」

僕は思わず、叫んだ。

「い、一緒に!体を共有してたんだ!いろんな間違いがあ、あ、あっても!おかしくないだろうが!」

「納得できるか!」

「だったら…あたしを…」

アルテミアは、手を横に伸ばした。

「捕まえてみろ!そしたら、お前の好きにさせてやる」

回転する2つの物体が飛んで来たが…僕の方には来ないで、アルテミアの手に向かっていく。

「!」

驚く僕に、アルテミアはにやりと笑った。

「何を驚いている!チェンジ・ザ・ハートには、お母様の意志だけじゃなくて、お父様の意志も入ってるんだから!」

アルテミアはチェンジ・ザ・ハートを合体させ、槍に変えた。

そして、脇に挟んだ。

「あたしのすべてを受け止めてみろ!」

「ア、アルテミア」

その構えは何度も、見たことがあった。

女神の一撃だ。

「A Blow Of Goddess!」

爆風と雷鳴、鎌鼬が、僕を襲う。

「まったく!」

僕は、光の爆発の中に飛び込んだ。

女神の一撃を全身で受けながらも、前に飛び出した。

そして、攻撃の向こうにいるアルテミアに向って、手を伸ばした。