あれは、あたしがまだ中1だった頃。

友達に言われた一言がきっかけだった。



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「なぁ瑠美はさぁ好きな人とかいいひんの?」


彼女は中学に入ってから、仲良くなった、富永夏紀(トミナガ ナツキ)。
みためはもろ清楚なんやけど、すごい元気な子。

「そうそう!!てか小学んときからそんな話しなかったもんなぁ。」


そう言ったのはあたしが引っ越してきて、1番最初に仲良くなった、伊藤梢(イトウ コズエ)。
彼女はみためはも中身も元気そのもの。





好きな人かぁ…。

そう考えていると、一瞬俊ちゃんの顔が浮かんできた。


―ッ!?!?
何で俊ちゃんの顔が出てくんの…!!
意味わからん!!

「好きな人なんかいいひんよ…。」


あたしは俊ちゃんの顔をかき消すように言った。





「ん〜じゃあ好きな人作ろうや♪」

と夏紀が言った。


「そんなんどうやって作んのよ…。作ろう思て作れるもんちゃうやん…!」

と、呆れ気味にあたしは言う。


すると梢がとんでもない事を言い出した。