確かに私は独り言を言ったつもりだ。


なのに、いつの間にか言葉のキャッチボールになっている。

誰…?


「あれ?俺のこと忘れちゃった?確かに話したことあるのになぁ~。」

…知らない顔。
私がこの学校で知っている男は、鬼我利・尚人君・春真君・瞬君だけだ。


「誰…ですか?」


「ひどいな~。盗聴器渡した仲間なーのーにっ。」ニヤ

「は?盗……盗聴器の男?!」


思い出した!
この男…

入学したての私に、鬼我利の部屋に盗聴器つけろって頼んできた奴だ。