先生は誰もいないことを確認すると私を数学教科室に招いて部屋の鍵をしめた。 『薬のんだか?』 『…うん。』 『愛…。』 先生は私の頬に手をあて唇をあわせる。 『…今日家来いよ。』 『うん。』 それだけ言うと私は教科室を出た。 教科室を出た途端、世界は鮮やかに色づいた。