冬特有の柔らかな日差しが窓から差し込む今日。

クリスマスの翌日である。


少しはお互いの関係が変わると思っていたが、全く変化のない二人は朝日が眩しい廊下に並んで身を置いていた。


「そういえばナオトから私にプレゼントはないのか?」


大半の書類をナオトに持たせ、自分は軽い書類しか持っていないエイダが言った。


「そもそも俺はプレゼントなんて貰ってないんだけど。
俺が貰ったのは"お礼"だろ」


書類を忌々しそうに扱いながらも、文句一つ言わずに大人しく運んでいるナオトが言った。

だが直後、重要な事を思い出したといった風にナオトは声を上げた。


「プレゼントならあげたよ。言葉」

「言葉?」

「俺、エイダに好きだって言ったじゃん」


そうだったと得意げに頷いているナオトの隣でエイダは頬を赤く染めた。


何も変わっていないと思われた二人の関係は、少しではあるが、変わっているようだった。