エイダが頭で一度にものを考えていると、不意に体温が去っていった。 ナオトがエイダを解放したのだ。 未だに視線を逸らさずにいると、一瞬だけナオトが苦渋の表情を見せたが、いつの間にか消し去られていた。 いつもの、おちゃらけたような、からかうような顔つきで言う。 「冗談だよ。本気にするなよ。 仕方ないからお礼は今のでいいよ」 「今?」 「そう、今。 抱きしめただろ?それでチャラにするって言ってんの」 そう言ってナオトは元のソファに座ってしまった。 エイダの心に釈然としないものを残しながら。