「あ…」


部屋の前に佇んでいる人物を目にし、エイダは声をあげた。

ドアに背を預け、且つ足を組んで立っているナオトはそれだけで何故か絵になる。


「部屋の鍵開けておけよ」


エイダが近付くなりいきなり文句を言ったナオトは何やら腕をさすっている。

その様子を見てエイダは確信した。


「もしかして寒いの苦手なのか?」

「だったら何だ。悪いか」

「いや、別に」


ナオトがやけに突っかかってくるが、その必死さが今日は面白く思える。

エイダは人知れず笑みをこぼし、未だ寒そうに手を息で温めているナオトを部屋に招き入れた。