赤と緑のクリスマスカラーで包まれたシュークリームを手に取ると柔らかな甘い香りが鼻をくすぐる。

それがエイダの空きっ腹に影響を与えてしまうのは致し方有るまい。

エイダは緊張の父との対面とあって朝から何も口にしていないのだから。


今エイダは父の執務室で少し固めのソファに座って、将軍である父の帰りを待っている。

父は今日、重役が集まる会議に参加しており、終わるまで執務室を開けているのでそこで待っていて欲しいと直々に言われたのである。


クリスマスなのに仕事に追われている父に無理を言って時間を開けて貰ったのはエイダの方なので終始緊張しっぱなしである。

おまけに手汗が異様に気持ち悪い。