そう。今日は世間でいうクリスマス・イヴなのに、調理場で上司と二人でシュークリーム作りというのは、どうなのだろう。
というのも、エイダの親父さんがクリスマス、つまり明日が誕生日なためであるのだが。
「というか、何でシュークリームなんだ?」
シュークリームと言われた時からずっと考えていた率直な疑問を投げかける。
親父さんが好きだからだろうか?
ナオトが訊いた直後、エイダの瞳が陰った。
そして予想に反して帰ってきた答えは意外なものであった。
「亡くなった母の得意料理だったんだ」
ポツリと小さく呟かれた言葉は、その通り小さくナオトの耳朶を打つ。
以前エイダから聞いたことがあった。突然の心臓発作で逝ってしまったエイダの母。
その命日がちょうど三年前の明日だという。

