皮肉と剣と、そして俺Ⅱ



そう。今日は世間でいうクリスマス・イヴなのに、調理場で上司と二人でシュークリーム作りというのは、どうなのだろう。


というのも、エイダの親父さんがクリスマス、つまり明日が誕生日なためであるのだが。


「というか、何でシュークリームなんだ?」


シュークリームと言われた時からずっと考えていた率直な疑問を投げかける。


親父さんが好きだからだろうか?


ナオトが訊いた直後、エイダの瞳が陰った。

そして予想に反して帰ってきた答えは意外なものであった。


「亡くなった母の得意料理だったんだ」


ポツリと小さく呟かれた言葉は、その通り小さくナオトの耳朶を打つ。


以前エイダから聞いたことがあった。突然の心臓発作で逝ってしまったエイダの母。

その命日がちょうど三年前の明日だという。