「ゆか!」




「……え?」



夜の7じ。


駅に向かうひとごみの中で自分を呼び止めるような声が聞こえた





…気がした


振り向いてみたけれど
人が多すぎてわからない

気のせいなのかな

別のゆかちゃんかなあ



そんな風に思いながら

わたしは向きかえって駅へと足を進めた



外は大雨

風も強い

くつは水たまりをふんだせいで
べちょべちょしている

それにプラスして
帰りの電車は
帰宅ラッシュで人だらけ。




はやく家に帰りたくてしかたなかった