ガチャガチャッ 「ん、どーぞ。」 やっぱり龍也だ! 「ありがとー、龍也」 今、玄関をあけてくれたのは 崎原 龍也。 あたしと同じ桜ヶ丘高校の1年生で、 恵理ちゃんの息子。 つまり、あたし達は幼なじみ。 「あのねー、あたしのお母さんが恵理ちゃんにこれ、渡してきてってー」 そう言ってあたしは龍也のほうに ティッシュくらいの大きさの箱を 差し出した。