「…貴女は今、良い風が吹いていますか?」と、聞いた。有紀は瞳を開けジョーを見つめながら…

「…そうねぇ…世間的に見たら良い風に上手く乗れてるんじゃないですか?…私…これでもちょっとは名の知れたデザイナーなんですよ。有名なデザイナーズ雑誌にも顔が載っているくらいですから…」

「…そうでしたか、それは失礼しました。どうしても役所勤めという職業柄のせいか、そういった方面にはうといもので…」

「…あら、意外ですね…お堅い方なら見ず知らずの女を助手席に乗せませんよ。」

有紀はジョーの揚げ足を取った。ジョーは頬をポリポリとかきながら…