健の家




「ようこそ師匠!!
お待ちしてました。」




健がいつものように玄関で私を待っていた。




「あら、優ちゃん。うちの馬鹿に勉強教えてくれてるんだって?ありがとね〜
優ちゃんは、我が家の救世主だわ。」




健の母親もにこにこで私を迎え入れてくれた。




すみません。




何でしょう?この感じ。




うっざ〜い。




帰りた〜い。




荷が重〜い。



小さい頃から出入りしている家だけど、今は出禁にして欲しい気持ちで一杯だ。



「お邪魔しま〜す」




私に健を大学に合格させるという鉛よりも重いプレッシャーがのしかかってきていた。