「芽衣~」



「ん?」



「制服のボタン取れたーっ縫って~」



「あたし裁縫苦手なんだけど?」



「形になればいいよ」



「なんっか上から目線だな、おい」





いつもの憎まれ口。



いつもの会話のハズだったのに、頬をぷくーっと膨らませた碧は





「じゃーいいよっ

萌ちゃんにやってもらうからっ

萌ちゃーんっっ」





そう言って取れたボタンを持って同じクラスの萌ちゃんの方に行ってしまう。





「な、によ…」





いつもならあれくらい言っても返してくるのに、なんで?



…………。



男前?



そんなん全然男前なんかじゃないよ。



こんなちょっとのことでショック受けちゃうような女々しい女よ。



何よ、ちょっと冷たくされたからって、離れてかないでよ。



碧の、バカ。