サッカーだけが大好きで。



他に好きなもんなんて無かった。



みんな好きや嫌いじゃなくて、ちょーど間。



あ、でも勉強嫌いだし、ピーマンも嫌い。



だけどそんなおれの中にサッカーと比べらんないくらい好きなものが出来た。






「芽衣! おっはよー♪」





部活が終わって教室に入りすぐに、芽衣の元に駆け寄る。



机の上にカバンを置いていた芽衣は、おれに気づいて机の横にかける。





「おはよー。 朝から元気だね」



「おぅ!」





大好きなサッカー。



大好きな芽衣。



きっとどっちも好きで、どっちが好きなんて言えないんだろうな。





「ねぇ碧、今週の日曜ひま?」



「うーん、多分練習無いと思う」



「じゃあ出掛けよ!

昨日遊園地のタダ券もらったんだ」



「お、行く、行く!」



「よかった、部活かと思ったから」



「だいじょーぶっ!

日曜日はねーもん」



「じゃぁ約束ね」



「おー!」





にこーっと笑う芽衣は可愛い。