ぼーっと空を見上げながら、私は登校する。



碧に好きな人いるんじゃないかって思ったら、つい考えちゃう。



あー…



こんな女みたいな私嫌。



いや、女なんだけど。



サッカー部を横目に乗降口に向かう途中に聞こえる声に、ついつい耳を傾けてしまう。





「碧、行ったぞ!!」



「おー」





碧、楽しそうにサッカーするなぁ。



ほんと、サッカーばかなんだから。





「あ、芽衣ーっ!!」





手をぶんぶん振る碧を、ちょっと恥ずかしいな、と思いつつ手を振りかえす。



こういうときは恥ずかしいけど、私のことを好きだから手を振ってくれると思えば悪くない。



その好きは決して恋愛の好きでは無いけれど。





「なぁ、今日ヒマ?」





金網を隔てた向こう側から碧が話しかけてくる。