数日後。
例の一件で彼女のことはバレることなく、俺たちはいつもの日常を送っていた。
夕日を迎え、今日も何事もなく一日が終わる……そんな風に感じていた時、


「廉、麻美さんから手紙きてるわよ」

「手紙?」

よくこの住所が分かったもんだな。
俺は手紙を受け取ると封を切った。

一番最初に目に飛び込んできたのは同封されいた……、

『黄色のリボン』

便せんを広げると……。



拝啓 赤城廉様

先日はお世話になりました。
いきなり手紙送っちゃって御免なさい。
住所は廉君と再会した時、お花屋さんの車に乗っていたから、
『パープルA』で調べました。

おかげで母親も手術が受けられることになり安心しております。
これも廉君のおかげだね、ありがとう。

同封した黄色のリボンは私が昔よく使っていたものです。
廉君に持っていてほしいので送りました。
迷惑だったら捨てて下さいね。(笑)

また会えたらいいよね。
お元気で。

山科麻美

追伸。
廉君の好きな人ってもしかして……藍さん?
違ったら御免ね。


「麻美さん、何だって?」

「あっ……いや、この間はありがとうって」
これは見せられないよな、流石に。

「本当にそれだけ?」

「それだけ……だよ」

「嘘!!絶対、嘘!!私にも見せてよ!!」
なんでそんなムキになるんだ?

「ダメ!!」

「廉のケチ!!!こうなったら力ずくでもで見てやる!」

「見れるもんなら見てみろよ~へへんだ!」

「もう~っっ!!廉!!待て~!!」



麻美……黄色のリボン、ありがとう。
俺、大切にするよ。



END