｢何なのよ、あいつぅ…｣

あたしは公園のベンチに座って休んだ。
するとひとりの若い男が近づいてきた。
｢何？｣


｢俺と一緒にさぁ、遊ばない？｣

ホテルを指差して言ったバカ男。


｢は？誰がてめぇと行くかよ｣

立ち上がって離れようとした。けど、男はあたしの腕を掴んだ。

その時、男のベルトにバカ教師の名前とプリクラみたいなのがあった。

…こいつ。

｢あんた市瀬に頼まれたんでしょ｣


｢誰だ、そいつ？｣

ふざけんなよ、市瀬。あたしはこう見えて嘘ついてるヤツの顔見れば嘘だって分かるんだから。


｢…あたしを楽しませてくれるなら行ってあげてもいいよ｣


なんて言えば、あいつは出てくるはず。カッコ良く出てきてベタな台詞を言うはずだ。


｢コラァ！うちの生徒…｣


｢やっぱてめぇか｣


｢え？｣


出てくると思った。やっぱ単純。