探偵学園Q

Tlululululu...


「あ、リュウ電話?」

「あ、…ああ」




なんともいえない沈黙をやぶるように、僕の携帯の着信音が鳴る。




「じゃあ、あたし部屋に戻るね!」

「あ…ユイ」

「ん?」

「1人で…大丈夫か?」




なんだろう。
この胸騒ぎは…


嫌な予感がする。





「大丈夫。リュウの顔見たら元気でた」


「そっか」

「じゃ、……あ。」

「ん?」



「あたしずっと甘えてた分、ちゃんとかえすからね」

「……?どういう

「またね」


パタン



いまのは…?

ドアの向こう側にユイの姿が消えてからぽつりと呟いた。




「僕も好きだよ」


――――――――
―――――



リュウの部屋を出て、女子寮に戻る途中、男子のような人影が女子寮に入るのを見かけた。

あの背格好…どこかで…




「…優衣」



ビクッ


追い掛けようとした瞬間、後ろからかけられた声によってそれを阻まれる。




「…ケ、ケルベロス」

「んふっ。先程電話で話したこと…決めましたか?」




嫌な笑みを浮かべながら、あたしの髪の毛に触れる。




「チョーカーとってしまったんですね」




耳元で喋る低い声に、体が硬直した。




「…ほ、本当に約束してもらえるんですか?」

「何がですか?」

「あたしが幽閉されれば、リュウを解放するって…」




なにか裏がありそうで恐い。

この男はずっとあたしが小さい頃から油断ならない奴だ。

罠が……




「約束しますよ」