お昼休みが終わってあたしとリュウは2人で中庭を歩いていた。

なんでこの2人でいるのかは自分でもわからないけど
心臓が破裂するんじゃないかってくらいにバクバクしていた。
……のに




「いつも首に付けているチョーカーは?」




リュウの言葉に一瞬で現実に引き戻される。

できればチョーカーのこと気づいてほしくなかったのに……




「な、なんか付けたくないんだ。ほら、一応もちあるいてるんだけどね」




ポケットからチョーカーを取り出してリュウに見せる。

けっきょくあたしは捨てられなかった。

それは冥王星からは逃げられないって証。




「…やっぱりこれ、昔僕の家にあったのにそっくりだ」




臆病で弱虫なあたしの…




「…だってそうだもの」

「え?」

「あ、な、何でもない。じゃあさ。これ…リュウが持っててよ!」




ぽろっとこぼれた言葉に不思議そうにあたしを見るリュウに、半ば無理矢理チョーカーを押しつける。




「え…これユイの

「うん。だからリュウに持っててほしい」




いまのあたしは、それを持っていると狂いそうになるから。




「……わかった」




しっかりと受け取ってくれたことに安堵のため息がこぼれる。




「ありがと」