探偵学園Q

七海先生が出ていってしばらく泣いていたあたしは、いつのまにか睡眠不足で眠っていた。


催眠なしで寝れたのは久しぶりで。



「…スー…スー」



だからかな?



奇妙な夢を見た。






あれはまだあたしが4歳の頃。

薄暗くてカビ臭い倉庫でのことだった。



「おじちゃん誰?あのね。パパ動かなくなっちゃった」

「わたしは君のお父さんの友達だよ。むしろ親友と言うべきか…」

「しんゆう?」

「ああ。一番の仲良しっていう意味だよ」



突然うごかなくなった父を前に茫然とするあたしの前に、優しそうに笑うおじさんが現れた。

金の懐中時計がとてもきれいにゆれていた。



「君のパパは少し疲れて寝ちゃったみたいだね」

「ねちゃったの?」

「そうだよ。休ませてあげようか」

「うん!」

「でも君も疲れてるみたいだ。わたしが一瞬で治してあげよう」

「……え?」



シャラン

「この時計を見ててごらん?」

シャラン


シャラン…



なに?この感じ。
頭がもやって……


シャラン

ねえ頭が痛いよ

シャラン

パパ…痛いよ


パパ……!!!!

―――――――
――――


「ねえおじちゃん誰??」

「君のパパの親友だよ」

「しんゆう?」

「1番の仲良しって意味だ」

「ふーん。じゃあこの倒れてる人ってだあれ?」

「……さあ。誰なんだろうね?私も知らないなあ」

「へんなのー。ねえパパは?」

「パパはね。空の向こう側に行っちゃったんだ」

「空の向こう側?」

「うん。旅に出たんだよ。だからわたしの家においで?」

「…うん!!」




―――――――
――――


「はあ…ッ…はあ……夢か…」



目が覚めるとそこはいつもの隠し部屋だった。

ゆっくりと目を閉じると、思い浮かぶのは見たことのない倒れている男の人。


隣にいるのはあたし……?

じゃああの人は…?



「あー頭痛いわ」