探偵学園Q

「プライベート。尋問禁止」

「尋問って;おい俺がお前を探ってるみたいじゃねーか」



勘弁してくれよーと笑う七海先生に顔を向けると、目が合う。

あたしは全部気づいてたんだけどなー。

妖しい笑みといっしょに口角があがる。




「そうじゃないの?」




ピシッと七海先生の表情が固まる。
おちゃらけたふいんきじゃなくて真剣そのものの…。



「あたしのこと調べてたくせに」

「なぜわかった?」

「……あたしを見る目が探る探偵の眼だったから」



目線をずらしゆっくりと背を向けると、後方から失笑の声が聞こえた。



「さすが異例に団先生が編入を認めただけあるな」

「…どーも。それで?どんな情報手に入った?」

「それがなにも。血縁関係からなにからまるでガードされてるみてーに情報がとれねえ」

「…ガードね。たしかにそうかも」



クスクスと笑うと、妙に自分の汚さが浄化されていく気がした。




「おまえ何者だ?」

「……調べてみなよ。たぶんおもしろい捜査結果がでるから」

「お、おもしろい?」

「………」




それで早く助けてよ。





「助けて……」




聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で呟く。




「え…?お前今なんて」

「あーあたし寝るから」

「おい!」

「おやすみ」




目を閉じる。

しばらくすると七海先生が部屋を出ていく音が聞こえた。




「………助けて」




眼から流れる雫がソファに染みを作る。





「助けて」

「助けて」






「助けてよ……誰か」






~To Be Continue~