探偵学園Q

あまりにもくだらない登場の仕方に、寒い空気が流れた。



「何やってんの…」

「ザ・ミッションインポッシブル!」



「見ればわかりますよ」

「ってゆーかなんで普通にあらわれないんですか?」

「俺の趣味なんだよ、悪いか?お、お前ちょっととめろ!」

「開き直ってるし…」

「さすがですね七海先生」





どこまでもアホな七海先生をとめようとする人はいない…と思ったらカズマが仕方なくとめていた。

しかも意味不明に花を渡して照れ臭そうに微笑んでいる。



「…まさか先生とカズマってそっち系の人?」

「ばっ…山内!なに言ってんだ;!」

「なに焦ってんですかー」




“焦ってない”とかギャーギャー騒いでいる七海先生を無視して、あたし達は新しい課題のCDを聞くことにした。

あーうるさい。






《Qクラスの諸君》




毎度のことながら部屋は張り詰めた空気へと変化する。



《今回諸君に捜査してもらいたいはスクラップマーダーによる殺人事件だ》



被害者の死体の写真がスクリーンに映された瞬間、メグの体がビクッと反応する。

メグ……



「ごめん」

「え?」



ふとこぼれた言葉にメグが不思議そうにあたしを見る。
それに対してあたしは、なんでもないよと首を振った。


まだ知らなくていいから。
ううん。
ずっと知らないでいて?

「ごめん」の意味。



「……っ」



あたしはスクリーンには眼をやらず、拳から血が滲み出るくらいにずっと手を握り締めていた。



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