「ユイ!」

「…!」



気づくと、なぜかあたしは死体に近づいて血に触れていた。

みんなのびっくりした顔に我を取り戻す。



「え、あ…あたしいま何してた?」



血がきれい
血が欲しいって本能が叫んでた。



「なんか様子おかしかったよ」

「ふらふらって死体に近づいて…」

「そ、そっか…疲れてるのかも」



やっぱりあたしはおかしいんだ。
死体を見ると妙に安心したりするのも、もっと血が見たいって思うのも。



「ユイ休んでなよ」

「あ、キュウありがと」



キュウにすすめられてソファに座り込む。

けっきょくその夜は捜査に参加することもできず、あたしはソファに座り込んでいることしかできなかった。