探偵学園Q

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「流様」



青龍館に着いてテラスに通されると、しばらくしてから落ち着いた男の声が名前を呼んだ。

顔を上げると嘘臭い笑みを浮かべながら奴らが挨拶をしてきた。



「立派に成長なされて」

「すっかり見違えましたわ」

「お懐かしゅうございます、流様」



吐き気がする。



「突然御呼び立てしてすいません。父の財産を継いでくださってるみなさんにはぜひ七回忌に参列していただきたいと思いまして」

「それはもちろん当然です」

「父のことでいろいろお話を伺いたいと思っています」



ああ。本当に醜い。



「どんな話が聞けるのか楽しみにしてますよ」



言い捨てると、階段を駆け上がって自分が宿泊する部屋に荷物を置いてドアを閉めた。

拳を強く握りしめながらドアに寄り掛かり息を吐く。

醜くて汚らしい。
冷静でいられると思っていたのに、いざあいつらを目の前にすると心の中で黒くもやもやしたものが爆発しそうになった。

それを防ぐためにずっと無でいる訓練を続けてきたのに。



「わかってる、わかってる」



殺したのはあいつ等。
でも黒幕は…






「流様」