「はははっ。早く眠りから覚めてくれよ」

「ふふっ。すみません」

「あ、そういえば」

「どうしたんですか?」

「今度のその法事、天草匠のお子さんがみんなに招待状を出したんだ。たしか君と同い年なはずだよ」

「へえ」



同い年で父を亡くしているなんて可哀相。



「友達になれるかな…?」



あたしがボソッと呟いた言葉に雨洞さんはニッコリと笑って嬉しそうに頷いた。



「その子の名前は?」



女の子かな?
男の子だとしても仲良くなれるだろうか?



「…天草流」

「天草流…くん?」

「ああ、そうだ」



そうなんですか、と返事をして雨洞さんを見ると雨洞さんの顔が驚いたようにあたしを見た。



「泣いているのかい?」

「え…?」



言われて手を頬にやると、そこには何故か涙が流れていた。



「なんで…」



なんで涙が流れるの?

なんでこんなにも胸が痛むの?



「…優衣ちゃん?」

「え、あ…ごめんなさっ」



急いで拭っても涙は次々と溢れては止まらなかった。



「……疲れてるんじゃないかな?休むかい?」

「は、い」



そうよ。
疲れてるんだ。

今は休もう。


休んだら涙もきっと止まるから。





~To Be Continue~
(時間軸が本編より少し進んでます)