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「さっきの…何…ッ?」



頭の中がぼんやりとシャッターアウトされたかのように、ストップしていた。

吐き気と立ちくらみが混じってまともに立つことすらできない。



「……少しあなたに催眠をかけました」

「さ…いみん…?でもあたし今なんともな


「1日。1日ですよ」




するとケルベロスはあたしに顔を近づけ不適な笑みを浮かべた。



「…なに…が?」



ケルベロスの瞳の奥に血に飢えた獣も、今にもあたしの心を喰い潰そうと待ちかまえている。

みんながあたしをほくそ笑んでいるんだ。




「ね、ねえ…ケルベロス…?」

「あなたは最後に何を想うんでしょうね?」

「待って!どういう意味なの?!」



「タイムリミットはあと…1日…」


パタン



ケルベロスはそう言うとドアの向こうに姿を消した。

しばらくの間、あたしはその場からまったく動かなかった。
吐き気のせいだけじゃなくてどうすればいいのかわからない。

タイムリミットって何?
あたしはもう用済みなの?
ねえ…あたしどうなるのかな?



「…………」



涙すらでなかった。

誰よりも消滅を願っていた頃、こんなにも自分が消えることが怖いと思ったことなんてなかった。

早くここから抜け出したいと思っていたはずなのに、あたしはここから抜け出したら本当に"居場所"がなくなることに今まで気づかなかった。




「愚かな自分…」



“あなたは最後に誰を想うんでしょうね”



もうあたしの頭には1人の姿しか浮かばなかった。

本当にあたしがあと1日しか残されてないのなら、あたしは動き出さなきゃいけない。



最後に

貴方のもとに行きたいから..



~To Be Continue~