探偵学園Q

ケルベロスから目が離せなくなる。





「ゃ、やめて…あたし」

「すべてはリュウ様の未来のためにあなたの天才的な頭脳が必要だった。しかし冥王星の一員だったあなたの父親はそれを反対した」

「……ひっ……っ」




やめて…
やだ…

思い出したくないのに。




「い、いやっ…!」




誰も入ってこないで?

あたしの中には誰もいれさせないから。
無理にこじあけてこないで。



お願いだから…



「あなたのせいでお父様は亡くなられたんです」



“あなたのせいで”


「 」


「い、いやああああ……っ…!」




頭のなかに流れ込んでくる映像。

隣にはパパがいて
笑っていて

幸せそうに笑っていて



シャラン


「…あなたはいままで私たちのためによく働いてくれた」

「…え?」

「でも…もうあなたの出番は終わったんです」





「さようなら」




―ドクン

一瞬自分でも何が起きたのかわからなかった。
頭が割れるくらいに痛く疼いて、催眠用のペンダントが頭の中で揺れる。


薄れゆく意識のなかで、あたしは自分を今までにないくらいに殺したいと思った。

あたしはどこまで周りの人たちを傷つけてしまうんだろうか。


リュウ…
あなたを傷つけたときみたいに胸が痛む。
自分の愚かさに…







―…キーン

「ユイ……?」