ずっと夢だったの。


外の世界を一度で良いから見てみたくて、太陽の光に憧れを抱いた。




「また外を見ているんです?」

「…ねえケルベロスさん。外には何があるの?」

「……別に対したものはありませんよ。醜い人間の固まりです」




醜い…。

それはよくあたしがケルベロスに外のことを聞くと決まって返ってくるお決まりの返答だった。

たまに彼が口にする「芸術」の意味はよくわからなかったけれど、たぶん彼の表情を見るかぎり素敵なものなんだろうと思う。




「……あ。」

「ん?どうしました?」

「…いまこの家の門を出ていったあの男の子は…誰ですか?」


「……ああ。あれはハデス様の孫の天草流さまですよ」


「………」





天草流。

なぜか顔ははっきりとは見えないけれど、彼を見ると心が安らぐ。




「……天草流…様」




―トクン

なぜか突高鳴る鼓動と一緒に、なせが無償に話をしてみたくなった。

初めて見る同年代の男の子。


いつかあの子とも仲良くなれるのかな…





「初めまして…」





あたしは誰にも聞こえないくらいの声で、小さく呟いた。

いつかの瞬間を夢みて…





ー「ずっと友達だよね?」ー

ー「もちろん」ー





~To Be Continue~