キュウの声を遮って僕は、二人をおいて福永家をあとにした。

がらにもなく泣きそうになる衝動にかられながら。






「…そうか。あの日の催眠が解けつつあるのか」

「おそらくそうだと思われます。…あともう一つ、自分が何かの秘密を握っていることに気づいたようです」


「……あれか」


「如何なさいますか?ハデス様…」





逢いたい

逢いたくない


夢の中でのあたしは、必死に自分の気持ちと格闘していた。

好きだったのは事実。

じゃあ今は…?



今はあなたのこと
あたしはどう思っているんですか?






「様子を見るしかないだろう」

「わかりました」




それぞれの想いが交差した夜




「…んふ。もうあの猫は使えませんね」





ゆっくりと動き始めた歯車に誰も気づかないまま





「……ユイ…」






確実にあたしは壊れていく





マリオネットのように


手のひらの上で踊らされながら




それに最後まで気づかない愚か者は




ダレダ……?





~To Be Continue~