「だったら奈那子ちゃん、好きにしちゃっていいんだぁ?」

男の言葉に、俺は固まる。

…薄く笑う男の気配。

「いいか遠山君よぉ。主導権は俺らが握ってんだ。お前は馬鹿みてぇに俺の言う事に頷いてろ」

急にドスの聞いた声で。

男は俺を一喝した。

「さて…これから俺達は奈那子ちゃんとドライブするんだけど…何なら一緒に来るか?お前も奈那子ちゃんのそばにいた方が、守ってやれるから安心だろ?」

「何だと…?」

この男の口調を聞く限り、こいつらが九条と『ただのドライブ』をする筈がない。

こんな時間だ。

暗がりに連れ込めば何だって出来る。